トルコで絨毯詐欺にあいました
2014年11月2日 | category by 考察
ドミトリーで深夜にパソコンをガチャガチャ。
電話をかけたかったので外で話してきて戻ってきたら「シーーーーーット」って。精神的ダメージ3000ポイント。
いやね、分かってるよ、深夜だってことは。だから外行ったじゃん。
僕は日本のクレジット会社に電話をしていた
トルコとの時差は6時間。この時間を埋めるには愛や温もりじゃどうにもならなくて、僕が深夜に眠たい目を擦りながらささやくしかないのです。シットって言われないためにも。
で、なんの話をしていたかって言うと、使ってしまったカードの決済をキャンセルしてくれと言う話。
はじめから雲行き怪しかったよね。誘導されるように答えたロングストーリーが呆気なく担当じゃないから分かりません、多分無理ですよって。かなりのフレンドリーな感じで返ってきた。そりゃね、ライターにでもなったかのごとく2時間ドラマになりそうな話を饒舌に話してるわけですよ。
分かるよ分かるよのめり込んじゃうの分かるよ。でもね、もっと早く言おうよ。私部署じゃないって。逃げちゃダメだ逃げちゃダメだなんていつも言ってたら誰かに迷惑かけちゃう時だってあるんだからさ。
そう言うのを残酷な天使のテーゼって言うんだよ。MJD。
時は遡ること1日前。
僕はいつものごとく陽気に街を散策していた。
ここはトルコ1の都市(首都では無い)イスタンブール。
綺麗なモスクがいっぱいあったり、
グランドバザールと言って、まじでビッグなマーケットを中心に商いで賑わっている。今の時期は捕魚の解禁時期で釣り人もこれでもかってくらいにひしめきあっているのです。
ちょっと話は逸れるけど、
街をくまなく散策すると小さなスラム街もあり、光で闇を覆い隠そうとしているとても奇妙な街でした。
「こんにちはー」
私日本に住んでたよー!
ちょっと私の店見て見てよ。
こんな謳い文句で誘ってくる店員。
この中に噂に名高い絨毯詐欺ってやつが紛れ込んでいるのです。
ググれば事例がたーーくさん。
100万円から1000万円も騙し取られちゃった人がいるんだって。
いやいやいやいや、
1000万円もね、払う前にそこは断ろうよ。そこに謙虚さなんて必要ないんだよ。
と言ってる僕が。
はい。
気づかないうちに10万円以上払っていました。
気づかないうちに。
それはなんて言うかチロルチョコでも買う感覚なのかなー?
呆気なく騙されました。
そもそも絨毯なんて買わないし、非力で有名な僕ですから持ち運ぶ事だってできない。
そう全くもって必要にないアイテムなんです。
そんな僕に起こった出来事は友達になろうって言うきっかけでした。
- 路上で絵を描いていると自分の親族がアートギャラリーを開いてる
から見に来てくれと声をかけられました。 - そしてアートが見れるならとついて行った先。
それは絨毯屋さんでした。 - 当然僕は警戒してお店に入りません。
しかしそこで別の店員にバトンタッチ。
彼は絨毯をデザインしていて、
そのパターンを職人が編んでいくのだという。
そして何より彼は車で日本を一周した経験があり、
住んでる街を尋ねられ答えると、
詳しくその街について話してきた。 - 話が盛り上がった2人は店内へ。
お茶を出されて話していると、やはり商売トークが始まった。
もちろん僕は買わないことを意思表示します。 - 彼は日本での相場の話やらなんやら、
僕の頭の中に大体の値段を刷り込んで来ました。
でも断り続ける僕に諦めたのか世間話を。 - そしてボスの登場。
僕が路上で絵を描いてたことを聞くと、
絵を見せて欲しいと言ってきた。相手の商談攻撃は終わり、ボス(
オーナー)と2人で絵について話す。 - ボスは絵が気に入ったと言って、
僕に絵を描いて欲しいと相談してきた。
そういうことであればとどんな絵が欲しいのかと尋ねるとボスは自
画像が欲しいと言ってきた。 - 似顔絵ならねってことで、
ご存知の通り僕は似顔絵を描きながら旅をしているので、
タダで描いてあげると話をする。 - したらボスは明日の午後に時間があるからそこで描いてほしいと提
案してきた。 - 時間もあったので明日もう一度会う約束をしてお店からでました。
こんなねやりとりををしてる間、ボスは日本人が好きで今度イスタンブールに来る時はうちに泊まりにこればいいなんて僕を家に歓迎してくれる風な事をほのめかしていました。
そして最後に絵を描いてくれたらお礼に絨毯をあげるね。って。
おおおぉぉぉぉぉお。
いらねぇ(笑)
とは言いつつも絵を気に入ってくれたってことで、僕は張り切っていた。それはまるで遠足前夜の小学生さながら。中々寝付けない。なんか分からないけど、出張して似顔絵を描きにいくなんて宮廷画家か僕か?くらいの感じだった。
次の日重い荷物を抱えカラフルな衣装(いつも一緒の)に身を包み。いざ出勤。歩く先々で写真を要求され。10ユーロ、10ユーローなんて叫びながらの撮影会。
今日の僕はとあるボスに頼まれた宮廷画家。ジョークだってやる気に満ちている。
で、ぼられツアー2日目。
- お店に着くや否やボスが待ってるってことで、別室に通される。
チャイが出てきて、どんなスタイルで絵を描くかの相談がはじまる。 - 孫の代にも自慢したいから
大きく描いてほしい。
ハンドメイドが好きだからキャンバスに描いてほしいという2点。
この2点を聞き入れドローイング開始。 - 描いている間に入れ替わり立ち代わり人が見に来る。とりあえず褒めたり質問をして去っていく。1時間くらいで完成しただろうか。上出来だ。
- するとボスは仕事があるからと部屋を立ち去った。そこで日本語が達者な店員登場。
ボスから指示があったと絨毯を5枚広げて選べと言う。 - せっかくの思い出なので僕は彼のデザインしたものがないか尋ねると候補が3つあがった。その中から気に入った物を一つ選ぶ。
- 僕が選んだ絨毯は40年くらい前のもので中央アナトリアのセミアンティークだと語り出した。
(え?彼は37歳で、デザインしたのは彼だっていうから選んだのに!?)
40年前のものは当然全てハンドメイドで、触ってみろよってことで触ると感触がいいだろ?と。
社長が本当に絵を気に入ったからこんなの出てきたんだな。俺だったらタダでこんなのあげないよとか言いつつこれが100万円以上する物だと語り出した。
(の割に靴で絨毯の上を歩く店員たち。え?そういう文化だから??)
幾つか疑問も浮かびつつも一生懸命日本語で話してくるから間違えてんのかなーとスルーしていた。 - 彼は僕が長期旅行をしている事を知っていて、気を使う振りをして日本に送ってくれると言い出した。
その際に100万もするものだから、これを買ったという事にして欲しいと言ってきた。とは言え僕はお金を払う気はない。
彼らが言うにはこれは凄く高価な物なので譲渡することが法律で禁止されている品だと。だからサインが必要なんだと言ってきた。 - そして僕は言われるがままサインをしてしまた。(このサインが後々悪用されるのです)
※サインだけは安易にしてはいけない!!! - そして送料の話に、
この絨毯が送る最中になくなってしまうと凄く大変なので保険が必要だと話してきた。この値段の商品にかかる値段は7万円くらいだと。
僕はそれは無理だと話す。 - すると手のひらを返したかのようにこれはボスからのプレゼントだから保険はこっちが持とうと言ってきた。だけど、送料を払って欲しいとと言ってきた。
トルコからDHLで2キロまでは1400円ほど。金額は把握している。
彼は「2200」の負担をして欲しいとと言ってきた。 - 頭の中で少し考えた、
がこの段階から次から次へと色々な事を話してくる。明日一緒に飯行こうだの、これからトルコのどこにいくだの、そして着々と梱包を済ませていくので、一旦待ったをかけて写真を撮った。 - 考えた結果、1400円より少し高い「2200」だけど、払う事にした。現金を持ち合わせていないのでカードで支払う形に。
この時そもそも日本円での支払いがあることを疑うべきだった。
こんな形で呆気なく僕のカードと
サインは相手のもとに。
まるでマジックでも見ているかのように一瞬にして全ては終わっていた。
ここからのアフターケアが凄まじかった。漫画太郎の背景の描写を見たことある?まじで細かいから!こんな事週刊で連載するやりすぎ感。そしてぬかりのなさ。彼らの行動はそんな感じ。
お店を出ようとすると、まだこれからの旅行を計画してないんだよね?ってそれならウチのスタッフが本当に安いツアー会社に連れてってあげるって。そんな事を言ってさ始めに声をかけてきた女性が現れた。そして更に隣の部屋に行くと、待ってましたとばかりにソファーに日本人女性が(50代前半って感じか)
なんかもーロープレ状態。部屋に入る毎に誰かが何かを言ってきて、情報収集。結局2人の女性に付き添われる形でツアー会社へ。
そこで話していると、通貨がユーロだったり、USドルだたり、トルコリラだったり。
あれ?そう言えばさっき日本円で話してたけど、「2200」って本当か?
OMG!!!!!!!!!
レシートに「2200TL」と書いてあるではないか!!
もうツアーの話なんてそっちのけ、
とりあえずこの事実を日本人にたずねると。急にしらを切って私は何もしらないから一切関与しませんっていう姿勢を見せてきた。
この時点で詐欺にあったと確信。リーチ目完全に入りました。フラグがビンビンに立っている。2200TLって言うと10万円強。
ここから色々と彼女らと攻防があったのですが、これ以上長くなると情報として役にたたなくなりそうなので一旦打ち切り!
もうね、戦國だか三國だかの無双のようにその晩は電話かけまくってバッタバッタしてたよね。この時点でHP軽く3000なんて割ってるのに最後にルームメイトからのダメ出し-3000ポイントで凹みまくりました。あーあ、こん僕のよう人でも拾う神はいるのかな。なんて神頼みをしてても始まらない。
最終的にはね、お金が返ってくる運びになりました。(ホッ)
だからもしも万が一このブログにたどり着いた騙されちゃった人には僕が何をしたかくらいは教えられます。
だけど、それよりも何が言いたかったというとどんなシチュエーションで隙を狙ってくるかなんてわからないってこと。海外にきたって日本にいたって詐欺に会う確率はあるわけで、それが運命の人と会う確率くらい少ないかもしれないけど、え?よく運命の人に会うって?
凄く恥ずかしい話ですが、
こう言う事を共有しておかないと
僕みたいな人が増えてしまうので…
そしたら絵を描きながら
旅をする人が増えてしまう。違うか。
と言う事でトルコで詐欺に御用心!!!